台湾では、赤ちゃんを産んだ後の産婦さんのおよそ70%が産後ケア施設を利用しています。元々、中華圏では子どもを産んだ後の母親は絶対安静にしなければならず、「お風呂に入れない」「冷たい飲み物を飲めない」などの状態がおよそ1カ月続くことが普通でした。(今でも一部の地域では継続されています!)
その間、食事の世話や赤ちゃんの世話を家族が行っていましたが、
核家族世帯が増えるなかで、産後ケア施設を利用することが一般的になったそうです。
日本でも、ここ数年の間に産後ケア施設の開設が相次いでいますが、数十万から数百万円するような高級産後ケアホテルもあれば、助成金を活用できる比較的リーズナブルな施設も増えてきました。
(2023年から助成金の利用要件が緩和され、かなり利用しやすくなっています!)
今回は産後ケア事業の概要と、自治体の助成金、いま話題の産後ケアホテルについて、ご紹介したいと思います。
産後ケア事業とは
産後1年以内の産婦さんに心身のケアや育児支援をする事業で、産後うつの防止や、育児への不安の抑制などを目的としています。2023年にこども家庭庁が助成金の利用要件撤廃を発表し、より幅広い方が利用できるようになりました。
2022年度時点で既に1,462(約84%)の市区町村で実施されていますが、2024年度末までの全国展開を目指しています。
こども家庭庁の2024年の産後ケア事業に関する予算見積が57.2億円にのぼりますので、かなり力を入れていると思われます。
産後ケア事業の助成金
産後ケア事業は自治体が主体となって、地域の医療機関などと連携して行っています。
助成金の金額や支給要件も自治体毎に異なりますが、サービス内容は下記の3つに分かれます。
●宿泊(ショートステイ)型
病院や助産所等の施設に宿泊し、休養の機会など心身のケアや育児サポート等の支援を受けられます。
●通所(デイサービス)型
病院や助産所等に通所して、個別又は集団で心身のケアや育児サポート等の支援を受けられます。
●居宅訪問(アウトリーチ)型
助産師や保健師等がご自宅に訪問し、個別に心身のケアや育児サポート等の支援を受けられます。
【主な支援の内容】
・お母さん、赤ちゃんに対する保健指導や授乳指導(乳房マッサージを含む)
・お母さんに対する療養上のお世話
・お母さんに対する心理的ケアやカウンセリング
・育児に関する指導や育児サポート など
自治体や利用施設によって、支援の内容や助成金の金額が異なりますが、各自治体の産後ケア事業のWebサイトに概要が掲載されています。助成金を活用できる施設の中でも、宿泊型のみ対応していたり、通所型のみ対応していたりするケースもあるので、ご自身の状況と助成金額を照らし合わせて決めると良いと思います。
下記に八王子市の利用金額を記載しますが、民間企業のサービスに比べて、かなり利用しやすい金額かと思います。
【八王子市の場合】(2024年10月時点)
●宿泊(ショートステイ)型:1泊6,000円(5回までは3,500円)
●通所(デイサービス)型
・ロング(6時間以内):1回3,000円(5回までは500円)
・ショート(2時間以内):1回1,300円(5回までは0円)
●居宅訪問(アウトリーチ)型:1回1,600円(5回までは0円)
なんと、初回から5回目までは、減額料金が適応され、宿泊型以外は0円とのこと!
宿泊も3,500円ということなので、かなり利用しやすいのではないでしょうか。
施設からご自宅までの距離や利用金額などをふまえて、利用できるものはぜひ利用したいところです。
※最新情報はHPをご確認ください 八王子市の産後ケア事業
ご自身の自治体の概要については、「居住地の自治体名 産後ケア」で検索してみてください。
助成金の内容や申請方法、対象施設について掲載されています。
いま話題の産後ケアホテル
※写真:「マームガーデンリゾート葉山」公式HPより
ホテルのような高いホスピタリティで、産後ケアサービスを提供している「産後ケアホテル」もあります。
上記の自治体の助成金とは提携していないところがほとんどですが、居住地に関係なく好きな施設を選んで利用できます。
最近では、ホテルの中にオープンされた産後ケア施設や、産後ケアプランを提供しているホテルもあります。料金は正直お高めですが、最近オープンした施設も多いため、割引キャンペーンや特典付きの見学ツアーを提供しているところもあります。
ちなみに、日本最大級の産後ケアホテル「マームガーデンリゾート葉山」では毎日のように見学会が行われています。
なんと、見学するだけでアフタヌーンティーのペアチケットがもらえるとのこと!
都内からおよそ1時間位かかりますが、池袋・東京・横浜駅発着バスで送迎してくれるみたいです。至れり尽くせりですね…。
たまに、インスタで有名人が利用している様子をアップしていますが、皆さん口々に「最高だった」と仰っています。
利用料金との兼ね合いにもなりますが、見学だけでも行ってみたいですね…。
※最新情報はHPをご確認ください マームガーデンリゾート葉山
いかがでしたでしょうか?
少しずつ利用者が増えている産後ケアサービスですが、助成金も活用しながら上手に利用していきたいですね。